ミカフェートのコーヒー作りは、畑の選択から始まります。
樹の選別から栽培、収穫、輸送、焙煎、 保管、抽出に至るすべての工程に独自の 品質基準を設け、 ”本当のコーヒーのおいしさと楽しさ”を 知っていただくためにミカフェートが生まれました。 それら世界中の素晴らしい農園のコーヒーを お客さまにお届けし続けていきます。S T O R Y 1 農園 朝日が一番にあたる場所
50ヵ国以上、2,500を超えるコーヒー農園を知るミカフェートだからこそ、できることがあります。それは、農園を選び、畑を選び、樹を選ぶこと。農園の中でも、標高や畑によって大きく栽培環境は異なります。コーヒーは農作物ですから栽培環境の違いは味に大きな影響を与えます。ミカフェートのコーヒー選びは、土壌、気温、雨量、日照、風向きなど栽培環境の優れた畑を探し出すことから始まるのです。私達はある農園で、購入すると決めていた『朝日が一番にあたる場所』を訪れました。コーヒーの品質には、昼夜の温度差が非常に重要です。
ゆっくり温度が上がっていく他の畑にくらべ、朝日が一番早く当たる畑は最も大きな昼夜の温度差が生まれます。優れた畑でも場所によって条件に大きな差があるのです。「ベスト・オブ・ベスト」を追い求める上では、畑の隅々まであらゆる条件を見て回ることが必要なのです。
S T O R Y 2 生産者 ある一族の100年の結果
サン セバスティアン農園4代目代表者マリオ・ファジャとJosé. 川島 良彰の出会いは運命的なものでした。José. 川島の恩人であるウンベルト・アギレラに紹介され訪れたサンセバスティアン農園、そこで José. 川島は代表者マリオ・ファジャに農園の栽培技術・水洗加工・乾燥・選別技術を案内されます。José. 川島が目の当たりにしたのは、市場価値にとらわれずこつこつと品質を求める一族の、コーヒーに対する熱意と100 年の結果でした。エル サルバドルで栽培技術を勉強し、世界最高と言われたジャマイカのブルーマウンテンコーヒー農園開発を手掛けた彼のプライドは一瞬で打ちのめされ、しかし沸々と情熱が湧き上がってくるのを感じていました。まだスペシャルティコーヒーという言葉さえ流通していなかった時代。この農園で彼が得た全身が震えるほどの感動は、ミカフェートのトップブランド『GrandCru Café』の精神として息づいています。畑、そして生産者との出会いが、ミカフェートコーヒーの基底となっています。
S T O R Y 3 収穫 赤い宝石だけを求めて
コーヒーの収穫期間は 3ヶ月にわたります。ミカフェートのコーヒーは、収穫の最盛期(もっともおいしいコーヒーが採れる収穫期間)に完熟豆だけを摘み採ります。そうすることで、えぐみの少ないクリアな甘みが特徴の高品質のコーヒーとなるのです。コーヒーは畑に植えて3年ほどで真っ白な花を咲かせ、花弁が落ちた後に小さな青い実がなると、半年かけて熟していきます。しばしば宝石にも例えられるこの赤い実はコーヒーチェリーと呼ばれます。コーヒーは同じ時期に花が咲いたとしても樹によって実が熟すタイミングが異なり、コーヒーチェリーのサイズも甘さも異なります。そのため、畑の環境ごとに等級を付け、畑別に完熟のタイミングに合わせて収穫します。コーヒーは果実であり、収穫のタイミングは品質に大きな影響を与えます。これは、ワインの原料となるブドウにも同じことが言え、ワイン生産者であれば誰もが知っていて当たり前に行っているのです。そして、収穫した完熟豆はグレードごとに適した精選を行います。
S T O R Y 4 精選 それぞれの流儀
ミカフェートは精選工程において、José. 川島 の栽培技術者としての知識と経験、消費者としてのニーズを考慮して各銘柄の精選方法を決定しています。銘柄ごとに果肉除去・乾燥等の工程を生産者と話し合い、最もおいしくなる方法を取ります。銘柄ごとに環境が異なる為、最善の方法も異なるのです。火山に濾過された湧き水を水洗いに利用する精選工場、果肉除去から乾燥まで一人で作業する生産者等、農園ごとに環境に適したやり方や『流儀』があり、品質への理解に基づいているものです。一般的に、乾燥方法は手間がかかる完全天日乾燥、機械乾燥、これらの複合といった選択肢があります。ミカフェートでは、ナチュラル精選の場合、20日以上をかけて天日乾燥します。手作業で豆を返し、時間をかけて豆に果肉の甘みを移していきます。乾燥後の選別では、一般的な基準よりも遥かに厳しいミカフェート独自の基準で選別を行います。
S T O R Y 5 キュアリング 休養と回復
選別後、コーヒー豆は温度と湿度が管理された暗所で一定期間保管されて出荷を待ちます。これは、豆に休息を与え、品質を安定させるためです。「キュアリング」と呼ばれるこの工程もコーヒーの味に大きく影響しますが、ミカフェートのコーヒー豆は通常よりも長く、60日間かけてキュアリングされます。
S T O R Y 6 輸送 品質劣化との決別
選び抜かれたコーヒー豆は、厳正なる管理の後に日本に輸送されます。一般にコーヒー豆の運搬には麻袋が使用され、温度管理がされていない船便で約3ヶ月前後かけて日本に運ばれます。しかし、麻袋は油分を含み匂いが強いため、そのまま生豆を輸送するのには適していません。さらに、温度管理がされていないコンテナの内部は60度以上に達することもあり、生豆は取り返しのつかない品質劣化を起こします。ミカフェートの生豆は、麻袋の内側に特殊なプラスティック製の袋を入れて生豆を詰め、品質を保つため常に16度に温度設定されたリーファーコンテナで運ばれます。また、GrandCruCaféの全ての銘柄は、輸送方法として理想的な航空貨物で輸送されます。おいしいコーヒーをおいしいままで届けるためにできることを全て行う。それがミカフェートのポリシーなのです。
S T O R Y 7 脱酸素定温保管 世界初の方法
一般的に、日本に届いた生豆は麻袋に入れたまま温度管理されずに常温で保管されます。しかし、ミカフェートのコーヒー豆は、品質の劣化を防ぐために、日本に入港すると即座に小分けして脱酸素状態にし、焙煎する直前まで年間を通して18°Cで定温管理するという、世界初となる独自の保管方法を採用しています。生豆は生きていますから、脱酸素状態で定温管理することが鮮度保持に重要な要素になります。この保管方法によって、品質の劣化を防いで長期保存、熟成させることが可能になりました。コーヒー豆は、ニュークロップ(収穫して1年以内の豆)がおいしいとされています。豆の新鮮な味わいを楽しめることが理由ですが、ミカフェートはそれに加え、新しい楽しみ方をご提案します。2008年より独自の方法で保管されてきた生豆は、熟成されることで味に『うまみ』が加わっています。その過程を楽しむこと、そして同一銘柄の年度別の味わいを飲み比べること。独自の保管方法により実現した新しいコーヒーの楽しみ方です。
S T O R Y 8 ハンドソーティング 徹底した厳選
割れ豆や貝殻豆、虫食豆などの欠点豆が混入するとコーヒーのおいしさに悪影響を与えます。ミカフェートでは、焙煎前に生豆の状態で一度、さらに焙煎後に一度、ハンドソーティングによって欠点豆を取り除きます。この努力がコーヒーのおいしさに繋がるのです。
S T O R Y 9 焙煎 豆の個性を引き出す
コーヒーは農産物ですから、その年の気候により味が異なります。ミカフェートのコーヒーが収穫年ごとに別の商品として味わいを記載しているのは、同じ銘柄においても味わいの違いがわかるほどの鮮度を保って輸送・保管してきたことの証明でもあるのです。その違いを楽しんでもらう為に、銘柄ごとはもちろん収穫年度によっても焙煎度合を変え、その豆の味が最も引き立つようにしています。また、日々の気圧や気温、湿度の外的要因の変化に対応できるように詳細なデータを取って焙煎を行っています。初めて出会う豆との対話は、緊張する瞬間であり、心躍る瞬間でもあります。生産国や生産した人々に想いを馳せ、コーヒーが生まれ育った大地を感じることが私達の楽しみであり、やりがいなのです。
S T O R Y 10 加圧包装 最先端のテクノロジー
焙煎後のコーヒー豆は炭酸ガスを放出します。一般的な販売方法は、全てガスを逃がす包装です。しかし豆からガスが抜ける際、コーヒーの命ともいえるアロマ(香り)も一緒に抜けてしまいます。ミカフェートでは、アロマを維持したままお届けするために、ガスによる内圧に耐えられるシャンパンボトルに入れるという加圧包装を開発しました。シャンパンボトル内で発生したガスは豆に対し外圧となりアロマを封じ込めてくれます。また、ペットボトルの場合、三菱樹脂(現:三菱ケミカル)が開発したハイバリアペットボトルを採用。通常のペットボトルの内側にDLC(Diamond Like Carbon)膜をコーティングすることで、酸素透過を約10倍防ぐことができ、コーヒー豆のアロマは通常より約1.5倍保たれます(石光商事株式会社・研究開発室調べ)。ドリップバッグは、焙煎してすぐに粉砕、包装することで、焙煎したての鮮度とアロマを保っています。
S T O R Y 11 抽出 バリスタの筆跡
ミカフェートのコーヒーに共通する味の特徴は、豊かな香りとフレーバー、雑味のないクリアな味わい、そしてしっかりとしたボディです。この味をお客様にお届けするため、抽出にも細心の注意を払っています。焙煎されたコーヒーには、全てのロットに製造部からの申し送りが付属され店舗に納品されます。店舗ではそれを参考に、銘柄とロットごとに抽出をコントロールしておいしさを最大限に引き出します。ミカフェートでは基本的にハンドドリップでコーヒーを抽出しますが、その際バリスタは完成後の味を想定して抽出に臨みます。銘柄の個性を引き出した上で更に現われるバリスタごとの味わいの特徴を、私達は『バリスタの筆跡』と呼んでいます。それは、コーヒーに真剣に向き合う者が持つ、コーヒーに対するイメージの表出なのです。
S T O R Y 12 空間 コーヒーの伝道師と『1杯』を味わう場所
おいしいコーヒーを作るために行う全てのこと、その最終的な形である1杯のカップをお客様に届ける場所として、ミカフェートは全国にカフェ&ショップを展開し、コーヒーを愛するお客様をお待ちしています。そこでは、ミカフェートが考えるコーヒーに関しての哲学を修めたコーヒーエバンジェリスト達が「ミカフェートコーヒー」の魅力をお伝えします。そして、コーヒーを味わう環境もまたおいしさに影響します。スタッフのサービスや室温、音楽にはじまり、家具や内装、カップなどにおいても、コーヒーをよりおいしく味わえる環境を追求しています。ミカフェートは、提供するコーヒーの品質にふさわしい環境作りを行います。それは、コーヒー作りに妥協が無いことと同様、コーヒーを味わう空間を作ることに一切妥協しないという意味です。1杯のカップに収まるまでの過程を知り、それにふさわしい場所を作る。それが、コーヒーを愛する私達がコーヒーのためにできる、最後の役割なのです。