洗練された逸品 RESERVA レゼルバ
アメリカ合衆国 ハワイ マモ グリーンウェル農園
18年の歳月を経て完成した、まだ誰も味わったことのない新品種。モカとマラゴジッペ両方の品種の良さが生きています。
【風味の傾向】 モカとマラゴジッペ両種の個性がバランス良く主張し合っています。モカ独特の香りと舌に伝わる旨み、マラゴジッペが持つ柑橘系のアロマとスパイシーで甘い風味。アフターには黒ビールのようなコクと十分な苦みがあり、喉を通る質感の心地よさが際立っています。
- 生豆生産国:アメリカ合衆国 ハワイ
- 生豆産地:ハワイ州 ハワイ島 コナ
- 農園:グリーンウェル
- セクション:マモ
- 農園主:トム グリーンウェル
- 栽培品種:アラビカ種 マモ
- 原料豆輸送:航空輸送
味、香りの特徴
世界初披露の新品種“MAMO”
ジャマイカからハワイ島コナに赴任した1989年、グリーンウェル農園のノーマン グリーンウェル氏と知り合いました。巨体で大きな鼻の持ち主のノーマンは、一見とても怖そうでしたが、右も左も分からない僕にコナの流儀を教えてくれ、生産者をたくさん紹介してくれる優しい人でした。息子のトミーも気さくでお父さん譲りの面倒見のいい若者で、いつも困ったことがあると二人に相談に乗ってもらったものです。1992年ノーマンが急逝してしまい、息子のトミーが農園経営をするようになってからもグリーンウェル家との親しい関係は続きました。仕事でもトミーとは、コナコーヒー産業発展の為に一緒に発起人となってハワイコーヒー協会(HCA)を設立し、その後生産者の技術サポートの為にハワイコーヒー生産者協会(HCGA)も作りました。
ハワイ農業リサーチセンター(HARC)の長井千文博士と初めてお目に掛かったのは、1991年ホノルルの共通の知人の家で催されたクリスマスパーティーでしたが、コーヒーの遺伝学の研究者とはまったく知りませんでした。その後カウアイ島のコーヒー園で再会し、コーヒーの品種とDNAの話に圧倒されたのを覚えています。僕は、1999年マダガスカル島に絶滅危惧種のコーヒーを探しに行き発見することができましたが、博士にはその保全やそこから派生するプロジェクトにもお願いして参画していただき、一緒に何回もマダガスカル島を訪問しました。
奇しくも同じ1999年、ハワイコーヒー生産者協会(HCGA)が長井博士に依頼して各種の組み合わせで交配種を作った中の一つがMAMOです。アラビカ種最大サイズの「マラゴジッペ」と最小の「モカ」を人工交配させたこの品種に目をつけたのが、研究熱心なトミーでした。彼は、この夢のような可能性を秘めていた品種を農園に植え、種の固定化に挑戦し長い年月の末に、ようやく納得しうる味わいをもった品種として完成させました。
当初研究番号しかなかったこの品種に、「MAMO」と命名したのは生みの親、長井博士です。モカとマラゴジッペの両種の頭文字から取った「MAMO」には、偶然にもハワイ語で子孫という意味があります。
研究者と生産者の熱意が生んだMAMOをお楽しみください。