最上のコーヒー Grand Cru Café グラン クリュ カフェ

グラン クリュ カフェ

ジャマイカ 国旗 ジャマイカ ブルーマウンテン ジュニパー ピーク農園

80年代の最高においしかったブルーマウンテンコーヒーの復活です。当時に比べると、現在では生産量も10倍で玉石混合となってしまったブルーマウンテンコーヒーですが、素晴らしい生産者も素晴らしいコーヒーもGrand Cru Caféを待っていてくれました。 生産者とともに特級畑を探し出し、栽培から収穫、精選などをGrand Cru Caféの品質基準に合わせ、80年代のブルーマウンテンコーヒーにさらに磨きをかけた"カリブの宝石"Grand Cru Caféブルーマウンテンコーヒーを作り上げました。

【風味の傾向】 圧倒的で奥深い甘み。しっかりとしたボディに優しい酸味が加わり、クリアな味わいを生み出す。究極の甘みとバランスを兼ね備えた逸品。

  • 生豆生産国:ジャマイカ
  • 生豆産地:ブルーマウンテン
    (セント アンドリュー県 キャサリンピーク)
  • 農園:ジュニパー ピーク
  • セクション:プロット4
  • 農園主:リチャード シャープ、ジェイソン シャープ
  • 標高:1,370m
  • 栽培品種:アラビカ種 ティピカ
  • サイズ:スクリーン 19

味、香りの特徴

2010年度
ジャスミンや花の蜜を思わせる甘く優しいアロマ。口当たりはフローラルな風味があり、後半から餡のような濃厚で深みのある甘みが出てくる。後味のかすかな酸味も心地良い。ボディが強く、飲みごたえ抜群。
2011年度
花のような香りと高級なクッキーを思わせるアロマがある。バナナのようなフレーバーの中にナッツ系の香りを感じる。すっきりした酸味が甘味に変わり、ボディが強く濃厚な甘さが残る。
2012年度
焼き菓子のような香ばしいアロマとほのかに感じるフローラルなフレーバー。強いボディーに柔らかな酸味が奥行きを与えてくれる。包みこむような濃厚な甘い後味がいつまでも残る。
2013年度
焼き菓子のような香ばしさとフローラルなアロマ。濃厚な甘みと強いボディにややしっかりとした酸味が重なり、まるでバナナを思わせるフレーバー。アフターテイストは甘く長い。例年より酸味がしっかりとしている。
2014年度
焼き菓子、マカダミアナッツ、フローラルなアロマ。スイートポテトのような甘さとボディ。アフターに柑橘系フレーバーがあり、余韻が長い。
2015年度
マカダミアナッツの甘い風味。優しく爽やかな酸はアフターまでクリアな印象を与える。究極の甘みとバランスを兼ね備えた逸品。
2016年度
キャラメルのように甘い香りが立ちのぼる。マカダミアナッツのような風味とまろやかな質感。上品な余韻が長く続く。
2017年度
マカダミアナッツとキャラメルの濃厚な風味。バターのような滑らかな質感でフルボディ。余韻にミルクチョコレートの香りと旨みが残る。
2018年度
黒糖や黒ゴマの風味。デーツのような余韻。溢れんばかりの旨みと豪胆な甘み。乾いた砂漠に潤うオアシスのような瑞々しい幸福感にとらわれる。
2019年度
旨味を強く感じさせる香りは瞬時に表情を変え、プラムやみかんのような優しいフルーツ感を醸し出す。舌触りは丸みを帯びつつ、余韻はダークトーンにあふれ、力強く終焉していく。
2020年度
パインやオレンジといった非常にジューシーで輝きに満ち溢れる酸が魅力。 艶のある嫋やかな飲み口が複雑なフレーバーアンサンブルの導き手となり、どこまでも長い余韻を奏でる。

ジュニパー ピーク農園について

Grand Cru Caféの ジュニパー ピーク農園は標高1,370メートル。ブルーマウンテンコーヒーの最大の特徴、バランスのよさと後を引く香り、そして甘味を兼ね備えたコーヒーです。

ブルーマウンテンは変わってしまっていた...

一口にブルーマウンテンコーヒーと言っても、栽培される地域によってその味は異なります。ジャマイカのブルーマウンテン山脈の北斜面と南斜面では、土の質も気候も違いますから、風味が変わるのは当然なのです。しかし、これまでこのような説明はされてきませんでした。

僕は、1981年から1989年までの7年半、ブルーマウンテンコーヒーの開発、買い付けの仕事でジャマイカに駐在しました。ですからMi Cafeto社を設立しGrand Cru Caféの販売を始めた際、古くからの知人達から、どうしてブルーマウンテンコーヒーも販売しないのかと尋ねられました。

理由は、簡単です。僕がジャマイカにいた当時のブルーマウンテンコーヒーが、今では手に入らなくなってしまったからです。当時のブルーマウンテンコーヒーの総生産量は、130トン足らずでしたが、現在ではその10倍前後生産されています。昔のブルーマウンテンコーヒーの素晴らしさを知っている僕は、今のブルーマウンテンコーヒーをGrand Cru Caféに加えることはどうしてもできなかったのです。

ブルーマウンテンコーヒーとは

また僕はこれまで、日本で一般にされているブルーマウンテンコーヒーの説明に誤っているものも多いことを非常に残念に思ってきました。本物のブルーマウンテンコーヒーが語り継がれなければ、正当に評価されることができません。

ブルーマウンテン山脈を中心とした地域で栽培されたコーヒーが、ブルーマウンテンコーヒーで、その他の地域で収穫されるのが、ハイマウンテンコーヒーとプライムウオッシュと呼ばれます。海からブルーマウンテン山脈に登って行き、300メートルを越すとブルーマウンテンコーヒーエリアが始まります。上限はありませんが、1,500メートルを越すと寒過ぎて栽培には向いていません。日本では、ブルーマウンテン山脈の800メートル〜1,200メートルが栽培地域と明記しているものが多く、中には中腹で栽培されるのがハイマウンテン、低地がプライムウオッシュドなどと説明されていることもありますが、これは正しくありません。

Grand Cru Caféの ジュニパー ピーク農園は標高1,370メートル。ブルーマウンテンコーヒーの最大の特徴、バランスのよさと後を引く香り、そして甘味を兼ね備えたコーヒーです。

復活の兆し

栽培から収穫、精選加工、乾燥、選別、出荷、輸送方法、生豆の保管方法、焙煎、包装まで、全工程に厳しい規格を求めるGrand Cru Caféは、生産者の全面的な理解と協力が無ければ実現しません。ブルーマウンテンのように、ブランドとして確立され黙っていても売れるコーヒーの生産者は、その知名度の高さゆえの安心から、品質を向上させる努力をしないだろうとGrand Cru Caféの発売当初は考えていました。しかしながらGrand Cru Caféの評判が世界に知れ渡れば、必ずや品質向上に真面目に取り組むジャマイカ人生産者がこのコンセプトに名乗りを上げるであろうこともまた、僕は信じていました。

そしてもしジャマイカで最高のブルーマウンテンコーヒーを一緒に作るのであれば、この男達しかいないと常々思っていたシャープ兄弟が、昨年10月、東京の僕のコーヒーセラーを訪ねてきました。彼らとは10年以上の付き合いですが、一度もビジネスをしたことがありません。しかしどうしたらコーヒーの品質を上げられるか、いつも議論してきた仲です。そして、やはり彼らは、やって来ました。

ブルーマウンテン復活プロジェクト

今年2月、6年振りにジャマイカを訪問し、シャープ兄弟の経営する ジュニパー ピーク農園を訪れ、彼らとくまなく農園中を歩き回り、Grand Cru Café用の特級畑を峻別しました。そして土壌、気温、日射量、雨量あらゆる基準をクリアした標高1,360メートルのプロット4をGrand Cru Caféセクションと決定しました。もちろん品種は、ブルーマウンテンの在来種アラビカ種ティピカの単一品種の畑です。

しかし問題がありました。彼らの精選・加工は、果肉除去後のミューシレージ(豆の周囲に付着した粘質)を取り除くのに、機械を使っていました。Grand Cru Caféの規定では、昔ながらの自然に分解・剥離させる方法を取らなくてはなりません。そこで彼等は、Grand Cru Caféのために急遽その施設を作ってくれました。

収穫が始まる4月、再びジャマイカを訪問し収穫に立ち会いました。通常ブルーマウンテンの収穫は9月から始まりますが、高地の最高級品の収穫は、半年遅い3月から始まります。しかしGrand Cru Caféの収穫は、Plot 4のコーヒーが最高密度に達する4月まで待ってから完熟豆だけを収穫し、昔ながらの製法で乾燥は100パーセント天日で仕上げました。90日の熟成の終わった8月の末に、再度ジャマイカを訪問し最終精選作業に立ち会いました。脱穀機から出てくる深い緑色に輝くコーヒー豆は、まさしく久し振りに再会する「カリブの宝石」でした。

ブルーマウンテン リバイバル "Back to 80's"

生豆を見た瞬間、これは絶対おいしいコーヒーだと確信しましたが、そこからさらに選り分けて磨きをかけなければなりません。そこでカップテイストをするに当たり、豆をサイズ別にスクリーンサイズ17、18、19のカップに分けてもらいました。ブルーマウンテンには、品質によってNo.1〜No.3まで3等級があります。80年代のブルーマウンテンNo.1は、スクリーン19以上でしたが、現在では17以上に変わりました。

緊張する一瞬でしたが、やはりスクリーン19のカップは突出していました。思わず口元が緩み、シャープ兄弟と目が合うとお互いに歩み寄り抱きしめ合いました。我々は、あの最高においしかった80年代のブルーマウンテンコーヒーの再現に成功しました。

生豆の選別

カップテイストでGrand Cru Caféの品質として認められたコーヒーは、輸出の準備に入りました。スクリーン19だけを選り分けて、そこからさらに欠点豆を取り除きます。 ジャマイカでは、伝統的にテーブルで選別を行います。それぞれの自分の机が決まっています。そして熟練度によって選別できるグレードも違います。もちろんGrand Cru CaféはNo.1グレードですが、選別作業はその中でもさらに熟練の女性達に当たってもらいました。

輸送と保管・焙煎まで

通常ブルーマウンテンコーヒーは、キングストン港からカリブ海を就航する船に乗せられ、アメリカのニューオリンズに運ばれます。そこからカリフォルニアまで陸路で輸送し、再び船に乗って太平洋を航海してきます。長旅の中で、時としてコンテナ内部は、60度以上に温度が上がってしまいます。そこでGrand Cru Caféは、全量空輸しています。

成田空港に到着したコーヒーは、通関後直ぐに小分け作業に入ります。500グラムの特製プラスチックの袋に脱酸素剤と一緒に入れ、18度の定温で保管します。

このように、生豆によいと思われることはすべてやりつくし、最後の難関が焙煎です。 ジュニパー ピーク農園ブルーマウンテンコーヒーの特徴を最大限出せる焙煎度合いを、ロースティングマスターと一緒に追求しました。焙煎の温度と時間に変化を付けて、焙煎・テイスティングを繰り返し、ようやく2010年度の焙煎プロファイルを完成させ、初めての出荷を迎えました。この作業は毎年行い、年度により異なる豆の特徴が最大限に生きる焙煎度合を見つけていきます。

こんなにおいしいブルーマウンテンコーヒーを飲んだのは、初めてです。その味わいには、長年の夢を実現させた感動がいっぱい詰まっています。