コーヒーの持つ可能性を楽しめる COFFEE HUNTERS コーヒーハンターズ サン ミゲル ウォッシュト
グアテマラ サン ミゲル農園
グアテマラの地で100年以上の歴史を持つ一族が経営するサン ミゲル農園で収穫された高品質のブルボンです。生産国がわずかになり希少になったブルボンだけを集め、ウォッシュト製法で仕上げました。
【風味の傾向】オレンジのピールチョコレートの風味とビスコッティ の香ばしさ、余韻にチョコレート風味が残る。キャ ラメルのように滑らかであとを引く飲み心地。
- 生豆生産国:グアテマラ
- 生豆産地:サカテペケス県 アンティグア市
- 農園:サン ミゲル
- 農園主:エストゥワルド ファジャ カスティージョ
- 標高:1,500~1,700m
- 栽培品種:アラビカ種 ブルボン
- 原料豆輸送:リーファーコンテナ
エストゥワルドとの出会い
1989年、当時グアテマラに住んでいた僕のコーヒー研究所時代の恩師に案内されたのが、アンティグア地区のサン セバスティアン農園でした。この農園のコーヒー作りをしっかり見て、コーヒーの品質とは何かを一から勉強しなさいと先生から言われたのです。実際コストよりも品質第一を徹底したこの農園のコーヒー栽培から、多くのことを学びました。サン セバスティアン農園は、スペインから移住したサルバドール ファジャ氏が、1890年に開いてから、最高級のコーヒーを求めて、ファジャ家に営々と受け継がれてきた農園です。僕が、訪問した当時、初代のひ孫にあたるマリオ ファジャが、一族を代表してこの農園の総支配人を務めていました。陽気なマリオとは、会ったその場で意気投合しすっかりアミーゴになってしまい、それから毎年サン セバスティアン農園詣でが続きました。
2003年のある日、悲しい知らせが届きました。マリオが農園で心臓発作に倒れ急逝してしまったのです。あんなに元気なマリオが、あの若さで死んでしまうなどとても信じられませんでした。また気がかりだったのは、誰が次に一族を代表して農園の舵取りをするのかでした。当時は、2001年のコーヒー相場の世界的大暴落の影響で価格が低迷し、産地で生産者がコーヒー園を手放している時期でした。新しい総支配人が誰になり、どんな経営方針を取るのか?品質よりコスト重視の路線を取るのか?とても心配でした。
厳選な豆の選別一族の選挙で新しい総支配人が決まったと連絡が入り、その年の秋にグアテマラを訪れサン セバスティアン農園で僕を迎えてくれたのが、マリオの従弟エストゥワルドでした。大声でジョークを言い放つマリオと違って、エストゥワルドはおとなしい男というのが第一印象でしたが、親しくなってその印象がまちがっていたことに気付きました。僕がどんな男かわからず、彼は注意深く観察していたのです。しかしお互い信頼関係を結ぶことができ、マリオ時代と同じような付き合いが始まりました。彼もマリオと同じファジャ家の伝統を受け継ぎ、品質を第一に守る男でした。
サン ミゲル農園
エストゥワルドのお父さんは、初代のサルバドール ファジャの孫でサン セバスティアンの三代目の総支配人になったアルトゥーロ ファジャです。農業が大好きだった彼は、隣接する農地を購入しサン ミゲル農園と名付け二つの農園経営を始めました。
現在では、息子のエストゥワルドが、サン ミゲル農園を経営しています。サン ミゲル農園にもファジャ家の品質に対する伝統は息づいており、素晴らしいブルボンを市場に送り出してきましたが、残念ながら日本市場にはあまり紹介されていませんでした。2011年、いつものようにサン セバスティアン農園を訪ねた僕は、前から気になっていたサン ミゲル農園のコーヒーをテイスティングさせて欲しいとエストゥワルドに依頼しました。律儀な彼は、僕が言い出すまで自分のコーヒーを試してくれとは言わなかったのです。グアテマラ市内の彼の事務所にある品質管理室でテイスティングしましたが、さすがファジャ家のコーヒー、本当においしいブルボンでした。