『ワインプロセス』による精選の妙味
1918年、カナダ人のアレクサンダー・ダンカン・マッキンタイヤー氏は中央アメリカで最も高い火山のひとつであるバルー火山の麓の気候に魅入られ、コーヒー農園を開園しました。それが、後に数々の名品を生み出す「コトワ農園」です。現在では、4代目農園主のリカルドが環境と人権を守りながらコーヒー栽培に取り組んでいます。ミカフェートでも、これまでコトワ農園で作られた多くの逸品を紹介してきました。今回、リカルドは新たな取り組みとして『ワインプロセス』のコーヒー作りに挑戦しました。ワインプロセスに選ばれた畑は、コトワ農園の中でもバルー火山の東斜面に位置し、独特の微気候に恵まれた畑「ドゥンカン」です。大陸分水界に近いドゥンカンは、同程度の標高の畑と比べて夜の気温が低く、昼夜の寒暖差が大きくなります。さらに他の畑より雨量が少なく乾燥気味なのも特徴です。この畑に、深く根を張り、乾燥にも多少耐性のあるカトゥーラ種を植えました。ワインプロセスのためには、コーヒーチェリーは過熟状態になるまで待ってから収穫する必要があります。そして数日間陰干しし、特別に設計した、除湿した常温の風が巡回する乾燥機に入れます。こうして、温度を上げずに水分を取り除くことで、コーヒー豆の糖度が凝縮し、言葉では言い表せない風味を醸すコーヒーが完成しました。